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岩手県民主医療機関連合会会長あいさつ

岩手県民主医療機関連合会会長あいさつ

新しい時代の赤ひげ候補生のみなさん
 私は現在、岩手町のさわやかクリニックという診療所で、一臨床医として地域医療に取り組んでおります。
 多くの健康問題を扱い、とりあえず、困っていることがあれば何でも相談にのろう、というスタンスで診療しています。身体的な障がいがあるため、日常的な動作に制限のある方、家族の問題や経済的な困難を抱えて生活する方、認知症など知的な機能の障がいにより周囲のサポートを受けながら生活する方なども多くいらっしゃいます。
 関わりの中で改めて感じるのが、人がひたむきに生きる姿というのは、すばらしいものだということでしょうか。いわゆる通常の暮らしを営むのが難しいような身体的・知的・社会的困難があっても、その難しさを生き抜く固有の人生・自己があり、光をみせているというようなことを、患者さんの生きる姿やそれを支える家族、職員から教えられたように思います。
 私の外来に来る「おれも庭の木のように健康になりたいといつも思っている」という90歳の一人暮らしの女性は、貧血も進行し転倒を繰り返していますが、私にはどんな人よりも地に根を張って生きているように見えます。一日一日を丁寧に生きてきた、その積み重ね、人生の深い経験を患者さんから少しでも教えてもらえた時の診療の満足感は、言葉に言い尽くせないものがあります。
 私たちの組織は「無差別平等の医療」を旗印としています。そして地域では、それを担う新しい時代の「赤ひげ」が求められています。
皆さんは、医学部教育や研修を通じて、医学的なものの見方、疾患の管理の仕方など学ばれていることと思います。その知性と感性を、是非 多くの地域の住民 職員とともに磨き上げ、私たちと共に新しい時代の「赤ひげ」を目指していきませんか?志を同じくする皆さんに、私たちの医療機関で共に働くことを切に訴えたいと思います。
岩手県民主医療機関連合会 会長 浮田 昭彦
 
 
 「赤ひげ」を知らない方のために、念のため 以下引用
「世の中は絶えず動いている、農、工、商、学問、すべてが休みなく、前へ前へと進んでいる、それについてゆけない者のことなど構ってはいられない、---だが、ついてゆけない者はいるのだし、かれらも人間なのだ、いま富み栄えている者よりも、貧困と無知のために苦しんでいる者たちのほうにこそ、おれは却って人間のもっともらしさを感じ、未来の希望が持てるように思えるのだ」 山本周五郎 赤ひげ診療譚より 
 
 
岩手県民主医療機関連合会
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